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| ACCUMU Vol.5 1993 |
学院創立30周年記念特集
情報の哲学
21世紀のノヴム・オルガヌムを求めて
古来,一世のパラダイムは,時代と共に変わり,また,時代を創ってきた。
《自然は神の御心にのみ従う》という神学的視座にかたよった,17世紀以前の哲学が人々の心を強く支配したような時代では,真理探究の意欲は生まれにくい。ようやくニュートンが,自然界の運動の法則を記述する力学を創設し,物理学に代表される自然科学的方法が成功を収めるや,人々は初めて森羅万象の新しい理解に開眼することになった。この時代のパラダイムの転換が,今日の自然・人文・社会の科学を築き上げたのである。
絶えず進歩する科学の成果の応用を,受けては変貌する文明社会の,構築者であるとともに生活者でもある人々の心の中に,同時代に普遍性をもつ特有の受動的または能動的な思潮と常識が,自然に醸成されてゆく。これもパラダイムの移り変わりである。
いまや幕開け迫る次世紀へ向け,これからの地球規模のパラダイムに,最も大きな影響を与えそうなキーワード的学術要因は,はたして何か。それは,やはり『情報』である。情報は自分自身を処理するコンピュータという超人的処理装置を手に入れたとき,その概念と存在意義を大きく変貌させ,革命的影響を現社会の基盤構造に与え続けている。
我々は一昨年「情報の科学」を特集した。今回は視点を変え,情報の本質とその科学的思考の論理は何か,情報の学としての在り方と位置付けは? 等々を掘り下げることにより,いわば『情報の哲学』を探ってみよう。
近世初頭,新しい科学方法論を提唱したフランシス・ベーコンは,これをノヴム・オルガヌム(Novum organum,新機関)と称した。情報処理機として急成長中の,今世紀の申し子的コンピュータの社会浸透により,おそらくベーコンの思考環境を越える次世紀情報化社会でのパラダイムは,情報科学をかなめに装いを一新した,ノヴム・オルガヌムの誕生によってこそ,時代を導く理念となりえよう。
京都大学工学部教授 長尾 真氏へのインタビュー「情報科学的視点は,世界をどうかえるか?」
大阪市立大学文学部教授 神野 慧一郎「人間知性理解の二つの議論 − 合理論と経験論」
大阪市大学文学部助教授 中才 敏郎「心の哲学について」
日本大学理工学部数学科教授 高橋 英之「孔子とのQAシステム」
京都コンピュータ学院洛北校長 牧野 澄夫「梅棹忠夫『情報の文明学』(中公叢書)を読んで」
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Revised:June 30, 1999
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