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| ACCUMU Vol.5 1993 |
| 認知の科学 |
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図1 鼓膜と蝸牛管の構造。音声振動は外耳道から鼓膜に到達し,3種類の小骨の振動を介在して,リンパ液に満たされた蝸牛管に伝えられる。蝸牛管は,かたつむりのようにぐるぐると2回半巻いている。この図では,簡略化のため引き伸ばしてある。この蝸牛管の中は,先端部ほど広くなっていて,ラッパのような管になっている。この中心部にある中心階に,聴覚神経が存在しているのである。 Kandel「Princeples of Neural Science」より |
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図2 最も大きく振動する基底膜の部分と,音の周波数との関係。周波数が低いときには,蝸牛管の先端部分の基底膜が最大の振幅を示し(最上部),周波数が高いときには,アブミ骨に近い部分の基底膜が,最も強く振動する(最下部)。周波数の情報が,蝸牛管内の位置情報に変換されていることがわかる。 Kandel「Princeples of Neural Science」より |
| 図3 蝸牛管の断面図。A:中心階に,振動を受ける基底膜が存在する。B:Aの四角で囲った部分を,さらに拡大してある。被蓋膜と接触している有毛細胞の毛の部分が,振動によって変型すると,この細胞にパルス状の活動電位が発生する。 入来・外山「生理学」より |
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| 図4 音声のオシロスコープ像。上から順に,「あ」「い」「う」「え」「お」,「ウシガエルの鳴き声」<元に戻る> | 図5 音声のソナグラム。音声は,周波数が定常状態に保たれている「フォルマント部分」と,それに先立つ「わたり部分」とから成り立っている。フォルマント部分が母音を決定し,周波数変調のあるわたり部分が子音を決定している。 入来・外山「生理学」より<元に戻る> |
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| 図6 ある特定の母音を識別できる,第1フォルマントと第2フォルマントの領域。白丸は男性の平均,黒丸は女性の平均。「a」と「o」は,どちらとも聞こえる部分がある。 入来・外山「生理学」より<元に戻る> |
図7 日本人の耳には,フランス語はどう聞こえているか。心理学テストによる明瞭度の違い。 左:5種類の日本語母音を聞き分けたときの判別能力を,統計的な距離として,XY座標にプロットしてある。お互いの距離が遠い程,明確に判別できたことを示している。 右:8種類のフランス語の母音に対する,同様の統計的距離。日本人には,「e」と「ε」の違いが,ほとんど判別できないことがわかる。 小嶋(1986)より<元に戻る> |
言語の情報処理は,ヒトの脳の最も発達した機能であるが,まだまだその実体はよくわかっていない。その解明のためには,言語認知の機構の研究や,神経科学のさらなる進展が望まれる。最後に,この方面の研究について,もっと知識を得たいという人には,次の本を推薦しておきたい。
「脳とコミュニケーション」(シリーズ脳の科学)岩田 誠著 朝倉書店
「人工知能と人間」長尾 真著 岩波新書