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Accumu Vol.16

京都へ,おかえりなさい。

学生の頃に暮らした京都。いつでも行けると思ったせいか,意外と京都らしいところに足を運んでいない卒業生が多いようです。

出張や仕事で京都を訪れても,お土産を買うのが精一杯でしょう。

まとまった休みがとれたときには,久しぶりに京都へ遊びに来ませんか。

今回は京都らしさが堪能できる町家を利用した宿を紹介します。

貸し切りできるものも多いので,友達を誘って京都旅行というのもいいでしょう。

もちろんKCGにも立ち寄ってください。

懐かしいあの頃を思い出し,明日への活力を養いませんか。


京都の中の京都が堪能できる

庵 和泉屋町

庵 和泉屋町
家具や調度品も町家の雰囲気に合った逸品ばかり
 
 
 

「美しい日本を残したい」と京都にある伝統的町家を再生し,京町家ステイを提案する「庵」。四条,烏丸,祇園にある七つの町家をすべて一棟貸ししている。おすすめは,和泉屋町にある町家。川床に出ると目の前が鴨川で,美しい東山連峰と大文字山を見渡せ,最高のロケーションをひとり占めできる。1階は洋室と和室が続き間になっていて居心地が良く,外出するのが嫌になるほど。庵の町家はすべて完璧に改修されているので,快適さは折り紙つきだ。スタッフは常駐しないが,直通電話であらゆることに対応してくれる。仕出しの手配や観光の相談もOK。料金は少々高めだが,泊ってみればそれ以上の値打ちあり,と納得するはず。大切な人へのプレゼントや接待にもおすすめだ。申し込みはホームページからメールで。


庵 和泉屋町
絵のように見える鴨川や東山の景色をひとり占め

【庵 和泉屋町】
京都市下京区富小路通高辻上ル筋屋町144-6 TEL 075-352-0211
http://www.kyoto-machiya.com/
[料金]平日1泊2名まで40,000円~(通常期,繁忙期,休前日など諸条件で金額は変わります)


国の登録有形文化財,温かくて家庭的

十四春旅館

十四春旅館

呉服問屋が並ぶ室町通の一筋東の諏訪町通にある町家旅館。明治42年に建てられた個人宅を譲り受け,昭和26年に開業した。母屋と蔵は国の登録有形文化財に指定され,窓ガラスも100年以上前のものが入っている。50年間,一見さんはすべてお断りの旅館だったが,時代の流れと建物の老朽化で廃業を考えたことも。しかし常連客らに支えられて現在の女将が奮起。多くの人に旅館を知ってもらおうとホームページでPRすると,世界中から問い合わせが届くようになり,今では予約をとるのも難しいほどだとか。全5部屋すべてに床の間があり,季節の軸と生け花が町家らしさを伝えている。大女将,女将,2人の娘という家族で切り盛りする家庭的な雰囲気なので,実家に帰ったようで,気兼ねなく過ごせる。


十四春旅館
表門からの通路も町家らしい雰囲気

【十四春旅館】
京都市下京区諏訪町通り松原下ル弁財天町326  TEL 075-341-5301
[料金]和室10畳・素泊まり1名9,240円,朝食付1名11,500円,朝夕食付1名18,500円(※宿泊人数で料金は変わります。繁忙期は1,800円加算)


何もないから何でもできる。自分だけの楽しみを

小宿&かふぇ布屋

小宿&かふぇ布屋

元ホテルマンだった主人が,京町家の民宿を始めようと,明治半ばに建てた自宅を完全再生した。1階はカフェとして営業し,2階の3部屋が1日2組限定で宿泊できる。民宿の名の通り,主人一家も住んでいるので,門限は午後11時。木造なので全室禁煙。部屋にテレビはない。また階段が急なので,子どもの宿泊は小学生以上になっている。しかし,それが布屋の魅力なのだ。早めに宿に戻り,町家でどうやって過ごすか。それを考えるだけでも十分楽しいではないか。朝食は坪庭に面した1階の座敷で食べられる。主人が趣味で集めた骨董の器に盛られたおばんざいと,土鍋で炊いたご飯が出てくるので,朝から幸せな気分になれること間違いなし。5人以上で貸し切りでき,9人まで泊まれる。


小宿&かふぇ布屋
1階のカフェは地元の人や観光客で賑わう

【小宿&かふぇ布屋】
京都市上京区油小路丸太町上る米屋町281 TEL 075-211-8109
[料金]1泊朝食付1人6,825円


世界中の旅人たちが集い異文化交流

ゲストハウス和楽庵

ゲストハウス和楽庵
居心地のいいサロンは長居しがちに

フランス人で大工のご主人と日本人の奥様が切り盛りする町家のゲストハウス。知り合ったのも旅先というほど旅好きの2人が,ツーリストが気軽に宿泊できるゲストハウスを持ちたいと2006年の七夕に開業した。元々は町家旅館だったが,外国人向けの下宿に使われていて,土壁にペンキが塗られるなど,かなり荒れていたが,2人で3カ月かけて改修。ご主人は日本建築は詳しくないので,町家情報センターで指導を受けながら直したそうだ。ご夫婦のセンスは良く,部屋のイメージに合わせたアンティークの調度品を使って,町家の魅力をうまく引き出し,居心地のよい宿になっている。宿泊者が利用できるサロンは坪庭に面していて,旅人同士のお酒やおしゃべりがはずみそうだ。貸し切りは2室7人まで。食事は朝食(400円)のみ。


ゲストハウス和楽庵
四季でその表情が変わる坪庭

【ゲストハウス和楽庵】
京都市左京区聖護院山王町19-2 TEL 075-771-5575
[料金]ダブル1室6,000円,ツイン1室6,000円,デラックス1室7,000円,ドミトリー1人2,500円


5軒長屋で感じる昭和ノスタルジィ

新洞食糧老舗

新洞食糧老舗
アンティークな家具が揃い昭和の香りが

慶応2年創業の老舗米穀店のご主人が,所有していた町家を貸家にしていたが,観光客や旅行者に1日単位で貸し出したのが始まり。東山三条近くにある「懐古庵」は,明治時代に建てられた5軒長屋を再生しており,1軒丸ごと貸してもらえるので人気だ。1・2階合わせて二間の小さな町家だが,カップルや家族にはちょうどいい広さ。部屋のあちこちに先祖から受け継がれてきた調度品や骨とう品,ご主人が趣味で集めたアンティーク家具やレトロな家電製品が置いてあり,自由に使ってもいい。懐かしいレコードとプレーヤーもあるので,気分はまさに昭和だ。全戸風呂付きで風情ある五右衛門風呂もある。米穀店だけあって自慢のおいしいお米と炊飯器も置いてあり,おいしい井戸水を使って自炊もできる。完全に京都人になって,京都暮らしを満喫してみては。


新洞食糧老舗
長屋ならではの細長い通路も京都っぽい

【新洞食糧老舗】
京都市左京区新間ノ町仁王門上ル頭町366 TEL 075-771-2919
[料金]1軒1日3人まで15,800円(学生は14,200円) 長期滞在割引あり


下宿のよう。友人とも泊まって懐かしいあの頃に

京のen

京のen
土間のベンチが宿泊者の交流の場

白川今出川と別当のちょうど中間にある町家ゲストハウス。骨董店を営んでいたオーナーが自宅として借りている2軒続きの京町家の1軒を開放して,3年前に始めた。昭和初期に建てられた町家で,個室は2階の3.5畳と6畳の2部屋。1階の8畳の相部屋には2段ベッドが用意され,カーテンで仕切れるので,プライベートはしっかり確保できる。ツーリストやバックパッカーも多く,いろいろな交流もできて楽しい。共同のキッチンもあり,自炊もできる。風呂はなく,歩いて行ける近くの湯や温泉を利用。逆にそれが京都暮らしを満喫できて楽しい。印象としては,学生のときの友人の下宿に遊びにきたような感じ。だから仲が良かった友人と一緒に泊まって,懐かしい昔話に花を咲かせるのにいいかもしれない。


京のen
昭和の懐かしいにおいがする6畳部屋

【京のen】
京都市左京区北白川下池田町27 TEL 075-721-8178
[料金]8畳和室(相部屋)3,500円, 3.5畳和室(個室)4,000円,6畳和室(個室)4,500円