トップ » バックナンバー » Vol.19 » 特集 学校連携 » 洛陽総合高等学校

Accumu 特集 学校連携

洛陽総合高等学校

実社会で生きる力を育む」をモットーに掲げる洛陽総合高等学校とKCGが学校連携事業協定を締結したのは2008年6月。KCGが高校と連携したのは同校が初めてだった。調印式でKCGの長谷川亘統括理事長は「技術・理系離れが顕著な若い人たちに対して輝ける夢を与えるとともに,IT分野の慢性的な人材難を克服できるよう少しでも役立ちたい。両校が互いに手を取り合って本質を重視した教育を進め,過程・結果を分析しながら新しい時代を築いていきたい」との強い思いを語っている。

KCG側がカリキュラムを提案,洛陽総合高等学校側と協議を重ねた末の翌2009年度から授業が始まった。「移動に必要な時間的ロスはあるが,高校とは違う環境で学ぶメリットの方が上回る。最新鋭のコンピュータ機器を使えるのも生徒たちにとっては有意義」(同校)という理由から,生徒たちがKCGを訪れて授業を受ける形をとる。科目は「ネットワークシステム」「図形と画像の処理」だ。

二十数名の生徒たちは毎週火曜日の午後,思い思いにKCG京都駅前校に集まり,画面をにらみながら熱心に100分間の授業を受ける。成果を踏まえ,2012年度には科目の見直しなども考えていくという。


「情報分野」は日進月歩。より時代に即した知識,技術を生徒たちに修得させたいのですが,高校の授業では限界があります。毎年卒業生が入学し,歴史,実績,ネームバリューを兼ねそろえたKCGと連携することで,私たちがモットーとしている「実社会で生きる力を育む」ことが実現できていると思っています。KCGでの授業について生徒からは正直「難しい」という声が多く聞かれます。それは当然のことなのですが,KCGの先生方が実に丁寧に指導くださっているので,生徒たちは着実に成長していると思います。


これはKCGでも同じことなのですが,授業の内容よりもまず,挨拶をきちんとしようと心掛けています。そして,にこやかに,元気に。生徒のみなさんに気持ち良く授業を受けていただきたいと考えています。HTML やJavaScript などの内容はKCGの1年生とそれほど違わないレベルなので,確かに難しいでしょう。なので,専門用語などはできるだけ分かりやすく説明し,コンピュータに興味を持ってもらえるよう努めています。生徒それぞれがオリジナルのホームページ作りに頑張っている様子をみると,うれしく思います。



「最新鋭のコンピュータ機器を使えるのも生徒たちにとっては有意義」という理由から,
KCGを訪れて授業を受ける形をとる洛陽総合高等学校(写真はKCG京都駅前校)

TOPICS

洛陽総合高等学校の特徴は,何といっても京都市内で唯一の「総合学科」を設置していることだ。幅広い選択科目を開設,生徒は自己の能力・適性・興味・関心に基づき,進路に応じて学習することができる。学校側は特に個性や主体性を活かせる授業の展開に力を入れている。総合学科にはKCGとの連携の軸となっている情報メディアのほか▽人文▽保育▽生活デザイン-の合わせて4つの系列がある。生徒たちは自らの進路を定め,伸び伸びと高校生活を送っている。KCGは秋の文化祭に出展し学生作品を紹介するなど,授業以外での交流も活発だ。

data

【所在地】京都市中京区西ノ京春日町8
学校法人洛陽総合学院が運営。1924年,洛陽高等技芸女学院(女子校)として創立,洛陽技芸高等学校,洛陽技芸女子高等学校,洛陽女子高等学校を経て1999年,洛陽総合高等学校と校名を改め,学科改編により「総合学科」を設置,男女共学化した。総合学科を持つ高校は京都市内で同校だけ。校訓は「『誠実・勤労・忍耐・温和』の精神を養う」。