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Accumu Vol.22-23

京都情報大学院大学初代学長 萩原 宏先生が永眠 学校葬・追悼式を挙行

  追悼文
京都コンピュータ学院・京都情報大学院大学 統括理事長   長谷川 亘
  電子計算機と共に歩まれた2の6乗年
京都情報大学院大学 学長   茨木 俊秀
  情報工学の必要性を熱く語り,行動された萩原宏先生
元京都大学総長,京都大学名誉教授,前国立国会図書館長   長尾 真
  追悼文
京都大学名誉教授,京都大学物質-細胞統合システム拠点 特定拠点教授   富田 眞治
  弔電
一般社団法人情報処理学会 会長   喜連川 優
  萩原宏先生を偲ぶ
京都コンピュータ学院洛北校顧問   石田 勝則
  萩原先生の短いコメントに込められた大切なもの
京都大学大学院情報学研究科教授   石田 亨
  中国の文学や歴史に造詣が深かった萩原先生
神田東クリニック,大津少年センター   井上 知子
  萩原先生の思い出(大阪万博)
京都情報大学院大学教授   今井 恒雄
  萩原宏先生,有り難うございました
香川大学教授   今井 慈郎
  ご恩に深く感謝
有限会社游雲堂,元九州工業大学教授   岩根 雅彦
  「KT-Pilot」の開発でご一緒
元京都産業大学工学部教授   奥川 峻史
  萩原宏先生を偲んで
京都情報大学院大学教授   金澤 正憲
  夫婦ともどもお世話になりました
元京都大学工学部数理工学科職員   北川 章子
  萩原先生の思い出
立命館大学情報理工学部教授   小柳 滋
  萩原宏先生,ありがとうございました
京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科教授   柴山 潔
  泉下から聞こえる柔らかくまた厳しいご叱声
京都大学学術情報メディアセンター教授   中島 浩
  教員転身への礎をくださった
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科教授   中島 康彦
  お菓子で団らんの後の本質突く「一言」
京都産業大学コンピュータ理工学部教授   新實 治男
  萩原先生,また季節の果物を持ってお話に伺います
京都情報大学院大学教授   山縣 敬一
  萩原先生から学んだこと
立命館大学理工学部電子情報工学科教授   山崎 勝弘
  KT-Pilotのこと
国立科学博物館産業技術史資料情報センター,工学博士   山田 昭彦
  新たな木の芽を生み出し,先生に報いたい
京都情報大学院大学教授   渡邉 勝正

京都情報大学院大学(KCGI)初代学長で,コンピュータ開発や,電子回路,情報理論,通信方式研究における世界的権威だった,萩原宏(はぎはら・ひろし)先生=京都情報大学院大学名誉学長,京都大学名誉教授=が2014年1月8日午後7時半,87歳でその生涯を閉じられた。日本のコンピュータ界のパイオニアとして,高速計算機「TOSBAC-3400」(京都コンピュータ学院=KCG所蔵,情報処理技術遺産認定機器)を開発するなど多大な貢献をされたほか,京都情報大学院大学の開学,発展に多大なるご寄与をいただいた。謹んで哀悼の意を表します。

萩原宏先生は京都大学工学部卒,工学博士。情報処理学会会長,日本学術会議会員などを歴任。京都大学工学部教授,龍谷大学理工学部教授,KCG情報工学研究所長などを経て,2004年4月,日本最初のIT専門職大学院・KCGIの開学と同時に学長に就任し,2008年3月まで務められた。2009年4月には瑞宝中綬章を受章された。真面目で温厚なお人柄で人望も厚く,時代の先を読む見識の高さに周囲の研究者たちは敬服していた。

萩原先生のご功績をたたえようと,KCGI・KCGなどのKCGグループは2月8日,KCG京都駅前校6階ホールで,学校葬・追悼式を営んだ。修了生・卒業生や在学生,教職員のほか,京都大学関係者など萩原先生に教えを受けた大勢が出席し,萩原先生を静かにお送りした。

学校葬・追悼式でははじめに全員で黙とうを捧げた。長谷川亘KCG・KCGI統括理事長,茨木俊秀KCGI学長が追悼の言葉を述べた後,ご来賓として参列された長尾真 元京都大学総長(京都大学名誉教授,前国立国会図書館長),富田眞治 京都大学物質-細胞統合システム拠点特定拠点教授・事務部門長が,萩原先生と歩んできた研究・教育活動を振り返るなどして,哀悼の意を表した。引き続き,上村昇 京都市立芸術大学教授・桐朋学園大学客員教授がバッハの無伴奏チェロ組曲を献奏,全員で萩原先生のご遺影に花を手向け,手を合わせた。

萩原宏先生,ありがとうございました。そして,本当にお疲れさまでございました。どうぞ安らかにお眠りください。心よりご冥福をお祈り申しあげます。

萩原 宏先生 ご経歴

1926年6月27日
石川県金沢市生まれ
1947年3月
旧制第三高等学校理科卒業
1950年3月
京都大学工学部電気工学科卒業
1950年3月
日本放送協会(NHK)大阪中央放送局技術部採用
1952年6月
日本放送協会(NHK)技術研究所入所
1957年11月
京都大学工学部助教授(数理工学科)
1959年10月
工学博士の学位取得(京都大学)
論文題名:「相関函数測定における遅延時間の揺ぎと雑音中の周期信号の検出」
1961年12月
京都大学工学部教授 数理工学科計算機工学講座担任
1967年3月~1968年8月
京都大学大型計算機センター設置準備委員会委員
1969年4月~1985年3月
京都大学大型計算機センター評議員
1971年4月
京都大学工学部情報工学科計算機システム講座担任
1980年2月~1982年1月
文部省学術国際局学術審議会専門委員
1983年5月~1987年3月
文部省大学局大学設置審議会専門委員
1990年3月
京都大学停年退官,京都大学名誉教授
1990年4月~1995年3月
龍谷大学理工学部教授
1995年4月~2001年3月
京都コンピュータ学院情報工学研究所長
2001年4月~2008年3月
京都コンピュータ学院情報学研究所長
2004年4月~2008年3月
京都情報大学院大学学長
2014年1月8日
逝去(87歳)
1960年4月
情報処理学会入会(会員番号6003637)
1969年4月~1971年5月
情報処理学会理事
1975年5月
情報処理学会論文賞受賞
論文題目:「予測子を用いたOpen Hash法」
1976年5月~1978年5月
情報処理学会理事
1979年4月~1981年5月
情報処理学会関西支部長
1982年5月~1984年5月
情報処理学会副会長
1987年5月
情報処理学会論文賞受賞
論文題目:「ユニバーサル・ホスト計算機QA-2の低レベル並列処理方式」
1991年5月~1993年5月
情報処理学会会長
1994年5月
情報処理学会平成5年度功績賞
1995年5月
情報処理学会名誉会員

受章・栄誉

1982年10月
通商産業大臣表彰(情報化促進貢献)
2009年4月
瑞宝中綬章受章

その他の活動

1994年7月~1997年7月
日本学術会議第16期会員(第5部)
情報工学研究連絡委員会委員長
1979年5月~1981年5月
電子通信学会評議員
1987年7月~1989年6月
人工知能学会理事
1998年 ~2008年12月
日中友好漢詩協会副理事長