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Accumu 記念行事

VFXと世界的パラダイムの変化

デジタル・ドメイン社創設者
スコット・ロス氏

2013年5月24日

VFXの魅力と課題を語るロス氏
VFXの魅力と課題を語るロス氏

デジタルメディアのパイオニアの一人で,米国デジタル・ドメイン社の創設者であるスコット・ロス氏の講演会「VFXと世界的パラダイムの変化」が2013年5月24日,KCG京都駅前校大ホールで開催された。ロス氏は自らが手掛けた映像を紹介しながら,CG(コンピュータグラフィックス)を使った特殊効果・VFXの魅力と課題について語った。また,聴講した学生に対し,映画製作などの仕事を成功させるには,コミュニケーションが最も重要な要素であると強調した。

ロス氏は,新たな技術とデジタル配信時代の到来によって,これまで映画の世界で中心だった「ムービースター」の数が少なくなり,興行収入でもCGやVFXを駆使した作品の方が上位にあるといった現状を紹介。ただ,このように世界中の映画製作者が新しい時代に合った作品を次々と完成させる中,衰えを隠せない「ハリウッド」の現状を憂い,「世界的に競争が激しくなる中,ハリウッドは資金や人材確保の面で足踏みしている。利益配分などビジネスのあり方を変えていかないと,ますます立ち遅れてしまうだろう」と話した。

引き続き『トランスフォーマー』など自ら手掛けた作品を,VFXを施す過程を交えながら紹介。これを受けて学生から▽映画1作品のVFX制作に何人くらい従事するのか▽映画におけるシナリオのウエイト▽日米の映画製作におけるワークフローの違い―といった質問が相次いだ。ロス氏は最後に「日本人と何度も一緒に仕事をしましたが,総じてコミュニケーションが上手だという印象があります。グループで仕事をする際には特に重要な要素となりますので,皆さんも学生時代から,コミュニケーションスキルをしっかり身につけるようにしてください」と呼びかけた。

スコット・ロス氏

ジェームズ・キャメロン氏と共にデジタル・ドメイン社を創設し,最大手のプロダクションにまで育て上げたロス氏は,1970年代にマイルス・デイヴィスグループなど 多くのバンドと巡業し,80年代にはジョージ・ルーカス氏が設立したILMのゼネラルマネージャーに就任。89年にはNTTで「創造力」をテーマとした組織改革をサポー トした。その後,日本の14の大学でデジタルメディア関連学部の設立を支援。人脈も広く,日本では特に故・黒澤明監督と親交があった。アカデミー賞を主宰する「映画芸 術科学アカデミー」,エミー賞を授与する「テレビ芸術科学アカデミー」のメンバーでもあり,世界20ヵ国以上で創造的手法やテクノロジーについて講演している。