トップ » バックナンバー » Vol.12 » 卒業生紹介 株式会社 CSK 松井博也氏

Accumu Vol.12

卒業生紹介 株式会社 CSK 松井博也氏

理想の情報化社会実現のために

株式会社CSK 松井博也氏
積極的に学び楽しむ

松井博也氏(情報科学科1981年卒)現在「株式会社CSK西日本事業本部eソリューション営業部技術推進課グループ長」として活躍している松井氏がコンピュータを知ったのは中学時代宇宙飛行への興味から本を読みあさるうちにその存在に出合った

京都市出身ということもあり舞鶴高等専門学校卒業後迷わず京都コンピュータ学院に進学したという「学院は目的のある者に確実にチャンスを与えてくれる場所でした当時中型コンピュータTOSBAC3400が校舎に設置されており学びたい人はどんどん学べる環境にありました入学後1年にも満たないうちに第2種情報処理技術者試験に合格しましたまた積極的に学生生活を楽しもうと思いバレーボール部を創部したり学院祭の実行委員などもやりました」と学院での生活を振り返る

誰もやっていないことに挑戦する

学院卒業後「業界の最大手で自らの力を試したい」という気持ちからCSK(旧称コンピュータサービス株式会社)に入社入社当時に電車の車軸受けの分解用ロボットを開発したことが今でも印象深いというロボットというと普通は何かを組み立てるものである「分解用ロボットというのはその時初めて聞きました自分としては誰もやっていないことに挑戦するのが好きなのでこの仕事は面白かったですね」組み立て用ロボットの場合は手順を決めてその通りにプログラムを組めばいいが分解用はそうはいかなかった分解する車軸受けが15年以上前のものだとネジが標準化されておらず手順を設定しても思うように分解することができないこうした難問をひとつずつ解決していくことにやりがいを感じたという

松井氏は1993年様々なアプリケーションの組合せをテストする部門である「オープンシステムテストセンター」のセンター長に大抜擢された

センター長としての松井氏は誰もやっていないことを実践した「『三大データベースバトル』と銘打ってオラクルサイベースインフォミックスという三大データベースを同じ項目について性能を比較検討する試みをしたこともありますこうした試みは初めてのものであり業界でも評判になりました

人と人をつなぐ

松井氏は現在「eソリューション営業部技術推進課グループ長」として社内の専門技術者の育成に携わっている

これからの技術者はコミュニケーション能力が重要になると松井氏はいう「自分にできることとできないことをきちんと説明できることが必要ですそして自分のできることには全力を尽くす

かつて松井氏は業務の傍ら社内有志のサークルであるAI研究会に参加ここでの活動を通じていろいろな人と話すことの重要性に気づいたという「もともと人がシステムをつくっているのだから単に技術を極めるだけではなく視野を広げることが重要なのだと気づいたのですそれ以来自分としては人と人をつなぐプロデューサのような仕事をしたいと思うようになりました

現在松井氏は社外にも様々な顔を持っている例えば「日本学術振興会産学協力研究委員会インターネット技術第163委員会運営委員」同委員会は大学教員を中心に構成され次世代のインターネット技術の研究を行っている他にも「大阪府研究開発型企業振興協議会幹事」「ソフトビジネス委員会運営委員長」「財団法人関西情報産業活性化センター検討委員」「桃山学院大学非常勤講師(2000年)」「大阪ガス高等技術スクール特別講師」…etc

これらの活動は松井氏にとっては正に「人と人をつなぐ」ことの実践でもある

理想の情報化社会とは

松井氏の夢は「情報技術の活用を通じてすべての人が豊かになり平和な社会の実現に貢献すること」である

今「デジタルデバイド」が問題とされているが松井氏は理想の情報化社会とは必ずしも誰もがパソコンを使いこなせる社会を意味しないという「自動車」を例に松井氏は次のように述べる

「日本はモータリゼーションの進んだ国ですが誰もが車の免許を持っているわけではありませんしかし誰もが車の恩恵を受けることはできますよね理想の情報化社会実現のために重要なのは誰もがコンピュータの恩恵を受けることのできる体制を整えることだと思います持たざる者へのケアが重要だと思いますね

この松井氏の言葉はコンピュータ業界の次代のリーダーとしての自信と責任感に満ちていた