Accumu Vol.9

Accumu Vol.9

KCG創立35周年記念号。スリランカ,ブルネイ,中国を対象とした海外コンピュータ教育支援事業の模様や,萩原宏博士(KCG情報学研究所所長)らが語る国産メインフレームの名機,TOSBAC3400の開発秘話や,関西文化学術研究都市の紹介レポートなど。

  創立35周年を迎えて(1998.11.18) 長谷川 靖子 日本最初のコンピュータ教育機関である京都コンピュータ学院のアイデンティティ。創立35周年記念式典(1998年)における長谷川靖子学院長の記念講演。
  創立35周年記念イベント  
  創立35周年記念式典 パソコン贈呈式  
  海外コンピュータ教育支援活動 スリランカ 植田 浩司 京都コンピュータ学院がスリランカの7つの高校にパソコン100台が寄贈し,コロンボでプログラミング講習会が開催された。遺跡シーギリヤやゴールなどの名所紀行も。
  海外コンピュータ教育支援活動 ブルネイ ブルネイ教育省の職業技術教育局,東南アジア教育大臣機構(SEAMEO)職業技術教育センター(VOCTECH)との技術交流協定に基づき,KCG教員がブルネイを訪問し,ワークショップでLANの構築などについて講演。
  海外コンピュータ教育支援活動年表(1996年以降)  
  海外コンピュータ教育支援活動 北京・天津・西安 寺下 陽一 一衣帯水といわれる中国と日本。京都コンピュータ学院は北京,西安,天津の三大都市に姉妹大学がある。中国の大学との国際交流の様子と三大都市の魅力をレポート。
  35周年記念座談会 新しい高速コンピュータの誕生―TOSBAC 3400 開発の思い出― 萩原 宏,天羽 浩平,松下 重悳 京大のKT-パイロットをベースとする国産高速コンピュータの名機TOSBAC3400。その開発に携わった京都大学名誉教授・京都コンピュータ学院情報工学研究所所長萩原宏博士らが開発秘話を語る。
  卒業生寄稿 情報化版 温故知新 中村 州男 企業にとって必須となる情報化を支える情報処理技術者が備えるべき姿勢とは。企業の情報化支援を実践してきた筆者(京都コンピュータ学院卒)がその極意を語る。
  卒業生寄稿 システムコンサルタントを目指す人達に 杉浦 司 情報システムの立案・設計・診断などを行なうシステムコンサルタントを務める筆者(京都コンピュータ学院卒)がその仕事の内容について語る。
  日本の私学と「専門学校」の概念 長谷川 亘 明治以降の近代高等教育システムにおける私立学校の地位を私立学校令,専門学校令など政策の変遷とともに概観し,日本特有の学校制度,「専門学校」の概念について論じる。
  抽象の力 牧野 澄夫 京都コンピュータ学院で情報文化史などを担当する筆者が,「捨象」「一般化」「可能的なものを考える」などの機能を有する「抽象の力」を通じて,「考える」とはどのようなことなのかを論究する。
  漢詩「初夏偶吟」「秋日郊行」 萩原 宏 「初夏偶吟」,「秋日郊行」
  曲阜行 孔孟の跡を訪ねる 米田 貞一郎 悠久の歴史を持つ中国・曲阜の町は,儒学の祖,孔子の生まれ故郷。文化大革命など歴史の荒波を乗り越え,修復された孔廟など孔孟の事跡をKCG教員の筆者が訪ねる。
  コミュニケーションメディアとしてのコンピュータ 池村 六郎 コミュニケーションの道具としてのコンピュータが今後の社会で果たすべき機能について,情報メディア論の観点から考察をする。
  ゲーム開発科の目指すもの 多くの人材をゲーム業界に輩出してきた京都コンピュータ学院がその伝統と実績に基づきゲーム開発科を設置したのは1998年。同科の目指す方向性について担当教員が語った。
  上野季夫先生と輻射輸達論の五十年 向井 苑生 輻射輸達論の世界的権威である天体物理学者,上野季夫博士(京都大学・南カリフォルニア大学・金沢工業大学を経て京都コンピュータ学院)の50年にわたる業績を愛弟子が語る。
  閑堂忌について-「一身独立の気力」- 牧野 澄夫 京都コンピュータ学院はいわゆる小手先の技術を教授する学校ではない。一身独立の気力に満ちあふれ,自ら道を切り開いて行こうとするパイオニア精神の涵養こそが目標でなければならない。初代学院長は学生が時折見せるそうした精神の片鱗をことのほか悦ばれた。
  初代学院長の思い出 作花 一志 理想の学校,ユートピアとしての学校創造を目指した京都コンピュータ学院創立者長谷川繁雄先生からは,幕末の情熱的な思想家・教育者であった松下村塾の吉田松陰を思い出す。
  木版画「人間の位置」 米田 哲生 生命のかたちを追求する抽象の木版画家,米田哲生氏。30年以上にわたり彫刻刀を使い表現を続けてきた米田氏の画業の魅力に迫る。
  小惑星 Shotaro 作花 一志 小惑星7594番星がスミソニアン天文台により,わが国の天体物理学のパイオニア,京都コンピュータ学院名誉学院長故宮本正太郎先生にちなみ「Shotaro」と命名された。
  五星聚井 作花 一志 五星聚井とは,五惑星が25度以内に会する天文現象。漢書天文志にも劉邦が天命を受けたしるしとして記されているが,それを眺めるチャンスは平均して2世紀に1度しかない。
  21世紀の新文化首都 関西文化学術研究都市の試み 湯下 秀樹 関西文化学術研究都市。日本の伝統文化が蓄積する関西の地に生まれた21世紀の新文化首都。ATRや国立国会図書館などの中核的な施設の目指すところを紹介。
  京都コンピュータ学院創立35周年記念イベント 最先端マルチメディアイベント 日本最初のコンピュータ教育機関京都コンピュータ学院の創立35周年(1998年)を記念し,京都駅での東京スカパラダイスのライブなど様々なイベントが開催された。
  卒業生紹介 未知へのチャレンジ精神 関西文化学術研究都市のATR人間情報通信研究所で最先端プロジェクトに参加する中口さんは,KCG卒。チャレンジ精神で人生を切り拓く姿勢をボストン研修で学んだ。
  アキューム9号(1999年発行)掲載広告