Accumu Vol.2

現代詩

草光 零太郎


とどの失神のような午後の空です。

   胸びれ 風力五

花びらをもちさりました。

   路のうえ,蝶のようにしめやかです。

すっと雨です。

   ひげのしなりのような。


人生は玉葱畑である

いや人生は西瓜畑

青空の下,割れた西瓜のらりるれろ

かなしいぞ泣けてきたぞ

やはり人生,玉葱畑か

皮むけ皮むけ空になれ


泡のように

坂,のぼってみると

あれは,雲

下宿屋のおかみと

名無しの猫に

あなたに会いに来たことを告げた

くらいソーダ水に

浮かびながら

ストローで吸われたい

僕であったが

泡のように

坂をのぼってみると

青空に,にらまれた

誰もいない部屋のドアの向こうは

あなたの育った海岸

ここでは浜辺で盆踊りをする

砂にまみれた素足が

はしゃぎながら

見慣れた花柄スカートが

ひらひらしている