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Accumu Vol.17

卒業生特集 ベニックソリューション(株) 桂 義幸さん

ベニックソリューション(株) 〈兵庫県神戸市〉
ソリューション本部 サービスビジネス部所属
2006年KCGI応用情報技術研究科ウェブビジネス技術専攻修了
同志社大学経済学部卒
桂 義幸さん(28)

ベニックソリューション(株) 〈兵庫県神戸市〉 ソリューション本部 サービスビジネス部所属 2006年KCGI応用情報技術研究科ウェブビジネス技術専攻修了 同志社大学経済学部卒 桂 義幸さん

東京メトロの半蔵門駅で降りて,皇居方面にある常駐先に向かう。話に聞いていた以上にビジネスマンたちの歩くスピードは速い。でももう流れに遅れることはなくなった。初めての東京暮らし,そして勤務。関西が好きで,関西のために働こうと地元での就職にこだわり,神戸市の企業を選んだ。関西への愛着に何ら変わりはないが,今は日本のビジネスのど真ん中にある取引先企業にデスクを置き,桂義幸さんは今日もKCGIで培った技術と知識をフル活用する。



大学で学べなかった実践的な経済の知識と興味のあった情報処理技術も学べるので,迷わずKCGIへの進学を選びました

常駐先は皇居に程近い
常駐先は皇居に程近い

付属高校からそのまま系列の大学に進学し,経済学を学んだ。「学生時代はいわゆるパソコンマニアでした。アルバイトもパソコンショップでしていたほどですから」と桂さん。いざ就職というときになると,やはりコンピュータ絡みの仕事に就きたいと思い,KCGの情報処理科で本格的に学ぶことを考えた。だが,KCGIの説明会に参加して,考えが変わった。

「第一期生になって,この大学院大学の歴史をつくらないか」と同じく説明会に参加していた学生に声をかけられた。大学では学べなかった実践的な経済の知識を身につけたかったのは事実。それにKCGIなら,興味のある情報処理技術も学べる。「まさに理想に合致していたんですよね。それに一期生というのも魅力でした」。桂さんは迷わず進学した。

東京での仕事,暮らしも板に付いてきた
東京での仕事,暮らしも板に付いてきた

KCGIには,実にさまざまな学生が集まってきていた。文系・理系の境はない。年齢はバラバラ。社会人経験者も多く,経験業種も多種多様。さすが実践を積んできたとあって,プレゼンテーションやコミュニケーション能力は,とてもかなわない。「学生時代をのほほんと過ごしてきた私にとって,まさに衝撃でした」と振り返る。

学ぶ環境は予想以上だった。何せ,教授陣の実務経験はバラエティーに富んでいる。それに教授と学生との距離が近い。桂さんは,きめ細かな指導を受けられたのが印象的だったと言い「教授,学生ともに新しい大学院をつくり上げていこうという一致した思いがあった。試行錯誤を繰り返しながら,一体となって大学院づくりに取り組んでいたことが思い出されます」と懐かしむ。

希望していたERP(企業資源計画)システムの勉強についても,実践経験のある教授から指導を受けることができた。以前は韓国の大手電機メーカーの情報戦略部長だったという教授からは,大学時代とは全く違う「生きた経済」を学ぶことができた。さらに研究が長引くと,仲間たちとゼミ室に炊飯器を持ち込み,まさしく「同じ釜の飯」を食べた。学生同士の交流やネットワークづくりを目的とした学生会組織にも参画し,初代会長になった。桂さんは「さまざまな経験ができました。本当に充実した2年間でした」と話す。

「常に学ぶ姿勢を持ちたい」と気を引き締める
「常に学ぶ姿勢を持ちたい」と気を引き締める

関西が地盤の,ERPシステムに関連する企業への就職を希望し,教授の紹介ですんなりと決まった。ベニックソリューション株式会社は,ERPソリューションの構築・運用を柱にする神戸に本社を置く企業だ。そこから2007年6月,大手企業のデータセンターに常駐することが決まり,桂さん自身として初の「東京進出」を果たした。

ハード面ではサーバ,ディスクの交換や運用保守,ソフト面ではパラメータ調整や性能のチューニング,発生したエラーの分析や対策…仕事は山ほどある。だが桂さんは「KCGIで学んだことを一つひとつ思い出し,確認し,実践しています。非常にやりがいを感じています」と目を輝かせる。

今後は業務の標準化を進めて手順書を作成し,取引先の業務をスムーズに,かつ効率化が図られるよう努めるという。「まだまだ一新人に過ぎませんが,常に学ぶ姿勢を持ち,業界の激しい変化にも対応できるようにしたい」と気を引き締める。関連する各種研修会にも,会社側の支援もあり,積極的に参加するようにしているという。

KCGIの第一期生として,第一線で活躍する桂さんは,「まだ言える身分ではありませんが」と控えめに前置きした上で,学生にこうメッセージを送る。「成績はあまり気にしなくていい。技術の流行り廃りは激しいですから,何事も短期間で習得できる能力を身につけておいた方がいいですね」。さらに「取引先が海外ならもちろんですが,業界では英語力が必須です。私も正直,苦労しているところもありますが,情報処理の専門用語も含めて,しっかり学んでおくべきだと思います」と語りかける。

技術の流行り廃りは激しいので,何事も短期間で習得できる能力が必要。専門用語を含め,英語も大切だと痛感。

伴侶も得て,東京の生活にもゆとりが生まれた
伴侶も得て,東京の生活にもゆとりが生まれた

2008年8月,同志社大学時代からの付き合いだという女性と入籍。新しい生活の幕開けは,仕事に向かう志をさらに高くした。時間を見つけての東京の観光地めぐりも,楽しさが倍増。共通の趣味は「紅茶」。二人で東京のおいしい店を探したり,家でスイーツとともに楽しんだりと,ゆとりが生まれた。

KCGIでは結婚したら,新婦をKCGI時代の友人に紹介するのが“儀式”になっている。「定期的に開く東京在住者の集まりにしようか,恒例の教授を囲んだ忘年会にしようか…」