Accumu Vol.18

Accumu Vol.18

ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を初めて夜空に向けてからちょうど400年の2009年は,世界天文年。約半世紀ぶりに日本で起きた皆既日食の観測リポートや,過去の日食と歴史の重大事件を結ぶ興味深い事実など,もりだくさんの内容となっている。

さらに,日本で初めてとなる「コンピュータ博物館」実現に向けた取り組みや,社団法人・情報処理学会から「分散コンピュータ博物館」第一号指定を受けた「KCG資料館」に所蔵される機器にまつわる話を網羅。百歳を迎えた米田貞一郎KCG顧問をインタビューした「百賀の祝い」を掲載,同顧問執筆の「古都逍遥」は最終回を迎え,銀閣寺(慈照寺)や修学院離宮など白河校周辺を取り上げている。

  特集 世界天文年 KCGの創立は,宇宙物理学の研究者が集まってコンピュータの勉強会をスタートさせたのがきっかけで,天文学とは縁が深い。世界天文年の2009年には,学内でもワークショップや講演会など,関連するさまざまな催しが開かれた。
  日食のはなし 向井 正 2009年7月22日,筆者は鹿児島大学の練習船に乗り組んだ皆既日食観測隊に加わり,高知沖へ向かった。その観測方法や,観測結果などについて紹介,興味深い内容になっている。
  世界天文年2009 ~ガリレオから学ぶもの~ 作花 一志 天動説と地動説,ガリレオの業績などについて分かりやすく解説するとともに,ケプラーの法則も取り上げ,遥かなる宇宙に思いをはせる。
  過去未来の大日食 作花 一志 女王・ヒミコが君臨した邪馬台国は北九州にあった-。「古事記」や「日本書紀」などの文献には「日食が起きた」とされる記述がある。天文学的な見地により,いまなお見解が分かれる邪馬台国が置かれた場所について一石を投じる。
  日本初「コンピュータ博物館」構想始動 コンピュータ技術の急速な進化に伴い,情報処理機器の変遷も急。次世代に継承するべき重要な意義を持つ技術や機器の保存と活用を図るため,KCGが中心となって,この構想がスタートした。
  日本初のコンピュータ博物館設立に向けて 長谷川 靖子 実コンピュータ博物館の意義と理念,学校教育とのコラボレーションなどについて,構想実現への旗振り役を務める長谷川靖子KCG学院長が思いをつづる。
  コンピュータ博物館の設立に期待 栗原 祐司 文化庁や大手IT機器メーカーの関係者が,コンピュータ博物館の設立に対する必要性と期待をメッセージとして寄せた。
  コンピュータ博物館の設立について 川下 史朗 文化庁や大手IT機器メーカーの関係者が,コンピュータ博物館の設立に対する必要性と期待をメッセージとして寄せた。
  『実物コンピュータ博物館』設立について 小山 孝男 文化庁や大手IT機器メーカーの関係者が,コンピュータ博物館の設立に対する必要性と期待をメッセージとして寄せた。
  歴史的価値は確実に残し,教育に反映を 篠塚 勝正,発田 弘,長谷川 靖子,長谷川 亘 (社)情報処理学会から「情報処理技術遺産」の第一号「認定機器」のひとつに選ばれた「OKITAC-4300C」。この名機の開発に携わった沖電気工業(株)の篠塚勝正会長と,情報処理学会歴史特別委員長を務める発田弘・同社理事を招き,KCGの長谷川靖子学院長,長谷川亘統括理事と意見を交わした。
  「日本初 コンピュータ博物館構想」に寄せて 篠塚 勝正 沖電気工業の篠塚会長が,「OKITAC-4300C」開発にまつわる話を紹介。KCGに保存されている同機の図面には,篠塚会長の当時のサインも見つかった。
  技術を末永く後世に 萩原 宏
  博物館は教育施設としても活用を 溝口 哲也
  世界で初めてノート型PCを開発 溝口 哲也氏 講演(要旨) 溝口 哲也 世界で初めてとなるノート型PC「ダイナブック」の開発を手掛けた(株)東芝の元専務がKCGを訪れ講演。学生に向け「大志を抱き,自分自身を磨きながら目標にチャレンジしていってほしい」と熱く語りかけた。
  鏡の中の右と左 小亀 淳 鏡に映った姿をみると,左右は逆になっているのになぜ上下は逆さに映らないのだろう-。この疑問に対し,筆者が解説する。
  福建師範大学での講義 江見 圭司 京都情報大学院大学准教授の筆者は,約90日間にわたって同大学で講義。その様子をリポートする。
  漢詩「早春賦」 米田 貞一郎 「早春賦」 米田貞一郎
  漢詩「早春偶成」 石田 勝則 「早春偶成」 石田勝則
  百賀の祝い 米田先生が百歳 KCG一同で祝う 米田貞一郎KCG顧問がめでたく百歳を迎えられ,学生・教職員は「お祝いの会」を開いて喜び合った。その様子を紹介するとともに,米田顧問にインタビューして,これまでの百年を振り返ってもらった。また,米田顧問の百歳を記念し,顧問執筆の冊子「古都逍遥~百賀の祝い」も発刊された。長谷川靖子学院長からお祝いのメッセージも。
  米田先生 百歳の誕生会に 長谷川 靖子
  古都逍遥 最終回 白河校周辺5 ~北辺を訪ねる 米田 貞一郎 白河校を出発して北へ進み,銀閣寺(慈照寺)や詩仙堂,修学院離宮などを巡る。筆者はこの連載について「校舎周辺の逍遥を一巡した」との理由で,今回をもって筆を置く。
  30年目のベルリン 茨木 俊秀 30年ぶりに訪れたベルリンで筆者が目にしたのは,「壁」をはじめ大きく様変わりしていた街の姿と,そこに住む人々が得た「自由」だった。筆者は国や国境線の存在が絶対的なものでないことをあらためて学ぶ。
  寄贈パソコンが開く世界への扉 パプアニューギニア 西村 祐二郎 KCGは海外コンピュータ教育支援活動(IDCE)の一環として,使用したパソコン53台を,日本から南へ約4600キロ離れたパプアニューギニアのゴロカ大学に寄贈した。対象国はこれで22ヵ国となる。今回の支援の意義と,筆者が訪れて見た現地の様子をリポートする。
  「日本・ドナウ交流年2009」認定事業 ダンス公演『Dance of Death ~生きるよろこび~』 末広 ゆかり 筆者はKCGダンス同好会の顧問を務める。「日本・ドナウ交流年2009」認定事業として開催されたマリ子ダンスシアター結成25周年公演に出演した筆者が,パワフルなパフォーマンスとその中に秘められた強いメッセージを紹介する。
  初代学院長の思い出 西村 正宜 奈良県吉野郡の山あいにある中学校に新任教諭が赴任してきた。大自然に囲まれた木造校舎で学ぶ生徒は270人足らず。ここは,KCG初代学院長・長谷川繁雄先生の教育の原点となった場だった。
  卒業生登場 「日本の標準」づくりへ邁進 社員の半数はKCG卒業生という同社の社長に就任。「社名のように『日本の標準』をつくっていきたい」と語る吉本さんは,KCGパワーを結集して,事業拡大へ着々と努力を続けていく。
  卒業生登場 「起業家という生き方」 「起業家という生き方」を追い求める鹿島さん。自ら立ち上げた会社は株式上場も視野に入った。現在の学生たちに「仕事をしていくうえで大切なのは,人とのつながり」と熱いメッセージを送る。
  3年目を迎えたKCGブログ 李 皓 2007年7月7日から始まったKCGブログ。これまでにページビューは200万件を超える。人気記事や読者層,閲覧時間などについて解説する。
  若い感性,中小企業の力に 学生が府中小企業団体中央会のHP構築
  全授業eラーニング対応 「休校」はせず 新型インフル発生受け「教育受ける権利」重視
  KCG卒業生 木村寛之さんが「日本情報考古学会 堅田賞」を受賞
  KCG保護者会が結成 サークルやセミナー活動で連携を密に
  初代学院長に静かに手を合わせ 閑堂忌,記念イベントも盛大に
  世界初,現役ウィーン・フィル奏者+舞踏コンサート ~IDCE 20周年記念~ クラシック音楽の歴史に画期的一歩
  KCG365 2009 KCGの1年間を振り返り,校友のみなさんにお届けするコーナー。いわばKCGのアルバム。
  学生さんとKCGのコンピュータ 木村 聡 筆者は非常勤講師を務め25年。その間,コンピュータ機器と学ぶ環境は激変し,同時に学生の気質も大きく様変わりしたようだ。ただ,今も昔も変わらず必要なのは「想像力を働かせるための練習」だと筆者は説く。
  小規模大学の将来像の一形態;ネットワークマルチバーシティ 長谷川 亘 小規模大学の将来像の一形態;ネットワークマルチバーシティ
  アキューム18号(2009年発行)掲載広告