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NEAC-2206が「情報処理技術遺産」に認定。長谷川靖子学院長に感謝状

KCG京都駅前校で保存・展示されている「NEAC-2206」が一般社団法人・情報処理学会の「情報処理技術遺産」の「認定機器」に選ばれ,白鳥則郎会長から認定状を受ける長谷川亘統括理事長(東京工業大学 大岡山キャンパス)

KCGとKCGIが京都駅前校で保存,展示しているNEC(日本電気株式会社)製「NEAC-2206」が,一般社団法人・情報処理学会から「情報処理技術遺産」の「認定機器」に選ばれ,2011年3月2日,東京工業大学大岡山キャンパス(東京都目黒区大岡山2-12-1)で開催された情報処理学会第73回全国大会で認定状を受けた。また,貴重なコンピュータの保存,展示に貢献しているとして翌3日,KCGの長谷川靖子学院長(KCGI理事長)に,同学会から感謝状が贈られた。

認定式では,情報処理学会の白鳥則郎会長が「コンピュータ技術の発展に向け,わが国の多くの先輩たちが輝かしい成果を上げられた。しかしながらそれらの成果が保存されていないという残念な現実がある。学会としては今後とも,情報処理技術遺産を保存して先輩たちの知恵や経験を次世代に継承していけるよう努力していきたい」とあいさつ。同学会の発田弘・歴史特別委員会委員長が今回認定された計9件の情報処理技術遺産の選定経緯を報告した後,「KCGは保存・展示に非常に熱心。われわれの活動の励みになっている」と話した。引き続き,白鳥会長からKCG・KCGIの長谷川亘統括理事長に「情報処理技術遺産」の認定証と盾が授与された。


貴重なコンピュータの保存,展示に貢献しているとして情報処理学会から感謝状を受けた長谷川靖子学院長(同キャンパス)

「NEAC-2206」について同学会は「1962年に発表されたデータ処理指向の大型電子計算システムで,(KCGには)中央処理装置とともに磁気テープ装置などを含めたシステムとして保存されており,貴重な技術遺産である」と評している。

感謝状贈呈式では,白鳥会長があいさつで「情報処理技術遺産」保存・展示と教育への活用の必要性を改めて強調した後,「情報処理技術遺産保存に貢献した」として長谷川学院長に感謝状が贈られた。

本学が保存・展示しているコンピュータで,同学会から認定を受けたのは,2009年の「TOSBAC-3400」,「OKITAC 4300C システム」(全国第一号認定)に続き3機種目となる。また,50年近くの永きにわたって教育・実習・研究で使用してきた過去のコンピュータ等を保存・展示している「KCG資料館」は2009年,情報処理学会より「分散コンピュータ博物館」に全国で初めて認定されている。今回,学院長に感謝状が贈られたことも合わせ,本学のコレクションが貴重でかつ,永遠に後世へ残しておくべきものであることが,改めて証明されたといえそうだ。


「NEAC-2206」(KCG京都駅前校本館)
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長谷川 靖子
Yasuko Hasegawa
  • 京都大学理学部宇宙物理学科卒業(女性第1号)
  • 京都大学大学院理学研究科博士課程所定単位修得
  • 宇宙物理学研究におけるコンピュータ利用の第一人者
  • 東京大学大型計算機センター設立時に,テストランに参加
  • 東京大学大型計算機センタープログラム指導員
  • 京都大学工学部計算機センタープログラム指導員
  • 京都ソフトウェア研究会会長
  • 京都学園大学助教授
  • 米国ペンシルバニア州立大学客員科学者
  • タイ・ガーナ・スリランカ・ペルー各国教育省より表彰
  • 2006年,財団法人日本ITU協会より国際協力特別賞受賞
  • 2011年 一般社団法人情報処理学会より感謝状受領。
  • 京都コンピュータ学院学院長

上記の肩書・経歴等はアキューム22-23号発刊当時のものです。