Accumu 京都コンピュータ学院創立50周年・京都情報大学院大学創立10周年記念式典

祝辞 京都府 副知事 山下 晃正 様

京都府 副知事
山下 晃正 様

京都府 副知事 山下 晃正 様

本日は京都コンピュータ学院創立50周年,京都情報大学院大学の創立10周年という節目の年をこのように盛大に迎えられることを心からお喜び申しあげたいと存じます。

私は今,行政職に就いているのですが,実は大学は理工学系でした。私が大学に通っているころには(手を大きく広げ)これくらいのサイズのコンピュータが研究室に置いてありました。私が大学に入る少し前に学生が使っていたコンピュータだそうですが,そのコンピュータができた仕事というのは関数電卓ぐらいのレベルでした。

現在は,社会の隅々にシームレスにコンピュータが埋め込まれる時代を迎えました。私が大学のころは「電子計算機」と呼んでおりましたが,どうも「計算機」という概念が今のコンピュータに合わなくなっているのか,最近そういう言葉をあまり聞かなくなりました。その後,インターネットが登場し,人々のコミュニケーションの世界が本当に大きく広がりました。

先ほど,長谷川亘 統括理事長が「サイバー空間における京都」というお話をされましたが,サイバー空間もコミュニケーションをする場から様々なクリエイティブな活動をする場へと変わっているように思います。

5〜6年前のことですが,アメリカの小学生がサイバー空間を使って新しいビジネスをしている映像を見たことがあります。そのように,我々が想像した時代を超える進歩を今続けております。一方,韓国ではサイバーテロが行われて市民の方々の生活が脅かされるような事態がございました。サイバー戦争という非常に嫌な言葉も飛び交う時代に来ております。

また,日本では,「2ちゃんねる」で人格を傷つけるような激しい言葉が出ております。

サイバー空間は,非常に悲しい空間でもあるわけです。こうした明の部分と暗の部分をこのコンピュータ社会は持っていると思います。

長谷川統括理事長と「この明暗,どうしていったらできるだけ明が大きくなって暗い部分が小さくなるのだろう」と議論しましたが,「結局,人に帰結するしかないのかな」というのが今のところの結論です。

京都コンピュータ学院,京都情報大学院大学は,2つの教育機関を合わせて,現在まで4万人を超える非常に優秀な方々を世に送り出してきました。また,世界20カ国を超える国々に対して人材育成のための様々な取り組みをされております。

我々と一緒になって,この暗の部分をなくすような人材をこれからも社会にぜひとも供給していただき,それだけではなく,さらに新しい理想像を掲げていただくことを切に期待したいと思っております。